舞台『豊饒の海』を観てきたので。

初めて舞台を見に行ってきました。

三島由紀夫原作の『豊饒の海』です。

www.parco-play.com



豊饒の海は、三島由紀夫の最晩年の作品。

「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」という4部作で成り立っていて、

メインキャラクターの生まれ変わりがテーマとして描かれます。



三島先生作品のなかでも、個人的に思い入れのある作品!

しかも主演が東出さんということで、これは行くしか…と。

(わたしも夫のくまのすけさんも好きな俳優さんなので 笑)





あ、ちなみに場所は新宿の紀伊國屋サザンシアターです。

自分で指定したか忘れましたが、なんと席が2列目という。近い。



まず、舞台は初なので、こんなシンプルなステージで

どんな風に物語が展開するんだろうと思っていました。

最初の状態が、真っ黒な背面の壁と木目の舞台だけだったので。



でも逆に映画とかのようにカメラのクローズアップや

大がかりなセットが使えない分、

舞台ってすごく人の想像力をかきたてるんですね。



ないなら、ないなりに工夫すればできる。

むしろつくりこまないことで、より表現の幅が広がる。

無からつくりあげる人間の想像の力を感じました。

(つくり手も、観客も)





この舞台で一番気になっていたのは、

あの4部作の壮大な物語をわずか2時間半ほどで表現できるのか?

ということでした。







結果、なるほど~~~!

という感じでした。もう感心しました。お見事。

原作のイメージを壊すことなく、誰も置いてけぼりにせず

本当にこれが「再構築された」というんだろうな、という展開。



くまのすけさんは原作を読まずに観に行ったのですが

「おもしろかった!」と満足そうでした。(しかも風邪気味だったのに)



またさらに個人的に良かったなぁと思うのは、

ただストーリーを追うわけでもなく、やはり脚本家の方の個性がでていること。

長く壮大な物語だからこそ、どこを切り取るかによって

その人の意志がにじみ出ますね。



今回に関しては、第3部は他に比べて要素は少なめのように感じて、

よりメインキャラクター「清顕」をずっと見続ける「本田」の個人的な部分や

女性の扱いを減らすことで、物語がシャープになったように感じます。





そういえば、ちなみに主演の東出さん。

美しかったです(笑)そして、脚が本当に長い…!

くまのすけさんいわく「長すぎて逆にバランスが悪いのかも(笑)」。



残念ながら東京公演は終了。これから見に行かれる方は期待して大丈夫です(笑)

原作も大作ですが、秋の夜長の読書にいいかもですね!

三島先生の最期とつながる部分もあるので、本当におすすめです。ぜひ!

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