[通勤本]もれなく納豆が食べたくなる『発酵はマジックだ』

久しぶりに通勤本を。趣味的な本ばかり読んでいるので、他の人にすすめられるもの、、と考えると案外難しいですね。今回ご紹介するのは『発酵はマジックだ』。













“発酵仮面”(これ、若者はわかるのでしょうか)こと、農学者・発酵学者の小泉武夫先生による、醗酵の知られざるパワーについて書かれた本です。「発酵ってなんかカラダ良さそうだけど、結局なんなの?」というわたしのような初心者向けで、ある程度詳しく解説もありつつ、とても読みやすい内容です。



わたくしごとですが、先日初めて親知らずを抜きまして。菌の感染を防ぐための抗生物質をもらって飲んでいたのですが、じつは抗生物質も「発酵」が関係しているそうなのです。ということで、本の冒頭から心をつかまれました。(たまたま抗生物質飲んでいたからなんだけど)



「発酵」って、そもそも?


マジメに広辞苑で発酵の意味を調べてみると、きっと「で、つまり???」となるはず。しかし、この本によると、発酵とは「人間にとって良いことをしてくれる現象」。はい、終了。えっ、って感じですが、これでいいのだそうです。プロがいってますから…。納豆菌や酢酸菌、抗生物質をつくる細菌といった善玉菌による、人間に良いことをしてくれる作用のことと考えれば、一般人は問題ないみたいです。



納豆のパワーがスゴすぎる


よく酒蔵で納豆は厳禁といわれますが、それは納豆菌の繁殖力が強いから。日本酒をつくる米麹に納豆菌がつくとお酒が仕込めなくなるのです。納豆菌は、100℃でも死なず、大腸菌よりも強い…って、すごくないですか。

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↑これ、夫婦ともに大好きすぎるなっとう味スナック。見かけたら絶対買う(笑)



昔、給食でO157の感染があった地域で、納豆を毎日食べていた幼稚園だけが無事だったという記録もあるようです。著書の小泉先生自身も、カンボジア旅行で一緒に行った日本人が食中毒になったのに、自分だけならなかったのは納豆を毎日食べていて腸内に納豆菌が多かったからだとあります。



そもそも微生物の遺伝子には「自分以外の細胞をせん滅せよ」という命令が組み込まれているのだそうです。抗生物質をつくってほかの細胞を殺す、戦争のようなことが行われているようです。だから、繁殖能力の強い納豆菌をたくさん摂ることが良いんですね。



それにしても、小泉先生が納豆大好きすぎるんです。NHKきょうの料理」でも食べ方を紹介しているようです。たとえば、納豆+生卵+長いも+缶詰のなめこ+オクラ。これは本からの抜粋ですが「するともうヌラヌラペロンペロントロントロンズルンズルン」だそうです。大好きさが伝わってきますでしょ。



くるか?「発酵革命」


いま小泉先生らが提唱するのは、FT (fermentation technology)革命。現在の環境、健康、食糧、エネルギーの問題を、微生物の発酵が解決できるのではないかという提案です。たとえばPM2.5などの大気汚染も、汚染物質を食べてくれる微生物がたくさんいますし、まだまだ発見されていない微生物を活用して病気の治癒に生かしたり、免疫をつくれることから予防医学に生かすという方法もあるとのこと。



マジメな内容もあるので、ゆっくり味わって読んでいくと数日は楽しめる通勤本です。読み終わる頃には「発酵すごい!」。そして「納豆食べたい!」となることうけあいです。そして納豆は、ぜひ茨城産のものをお召し上がりいただくのがよいかと。















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